剥落マモリータ
東日本旅客鉄道株式会社
デンカ株式会社
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技術の概要
鉄道土木構造物の検査・点検では、限られた列車間合いで作業しなければならない場合がある。また、検査・点検時にコンクリート面に剥離や豆板等の比較的小規模な変状を発見した際は、叩き落しだけでなく、列車の安全・安定輸送のための処置を行わなければならい場合がある。このような状況では、短時間に処置ができ、かつ施工しやすい補修材料が求められる。
本製品は、2液混合型のスプレータイプの補修材料であり、塗布後3時間程度で強度が発現することから、叩き落し後の劣化部の応急的な処置として比較的短時間の使用が可能である。また、材料がアクリル系樹脂のため、低温施工や屋外施工にも適しており、使用時に2液を混合させるため、缶内で硬化する恐れはない。塗布後の補修材について超促進耐候性試験を行った結果、10年相当の耐候性も確認されている。
なお、本製品による補修は、応急対策の位置付けであり、本製品で処置を行うことにより、恒久対策実施までの間の剥落リスクの軽減が期待できる。「剥落マモリータ」の使用方法と効果の検証
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適用箇所
橋りょう、高架橋、トンネルなどの鉄道土木構造物において、コンクリート面に比較的小規模な剥離、浮き、豆板等の変状があり、応急対策を必要とする箇所。
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特徴及び優位性
携帯性および作業性のよい2液混合型のアクリル樹脂スプレーを採用している。
二重缶を採用しているため、保存性に優れ、開封前(混合前)の硬化の恐れがなく、現場持ち出し時に安心して使用が可能である。
付着強度の立上り試験にて、施工後3時間程度で付着強度1.5N/mm2以上、4時間で母材破壊が確認されており、早期に効果発現が期待できる。
塗布材料に対する超促進耐候性試験にて10年相当の耐候性を確認しており、補修材としては10年相当の耐候性が期待できる。ただし、小規模な剥離、浮き、豆板等の変状に対する抵抗性は、塗布する構造物の状態や供用環境等に影響を受けるため、塗布後の速やかな恒久対策が必要である。
応急対策後、恒久対策実施までの間の剥落リスクの軽減が期待できる。
剥落マモリータの塗布後、塗膜の状態が健全な場合は、同種のアクリル系材料による再補修(上塗り)が可能である。
アクリル樹脂は、-5℃の低温環境でも硬化することから、冬季寒冷地施工が可能である。
低粘度の材料で含侵性に優れ、上向き施工時の液だれを抑制できる。
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販売実績
JR東日本、JR東海、JR西日本など 3,700本