EG定着板工法
鉄建建設株式会社
株式会社奥村組
五洋建設株式会社
合同製鐵株式会社
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技術の概要
鉄筋コンクリート構造物において、接合部内への主筋の定着は重要な課題です。一般的に、主筋を柱梁接合部内に定着する場合、建築構造物では90、180 度フックやU形定着法を、土木構造物では180 度フックとしています。その場合、鉄筋径がD41 やD51 の太径鉄筋を用いる場合、 柱梁接合部内が過密となり、コンクリート充填性が阻害され、品質低下する恐れがあります。そこで、鉄筋端部に摩擦圧接されたネジに円形定着板を手で締め込めるEG 定着板工法を開発しました。従来の折曲げ定着工法の煩雑な加工、配筋上の諸問題を解消し、整然とした定着部の納まりを実現します。
本工法は、D41 を用いた実大クラスの試験体や縮小モデル試験体による構造載荷実験を数多く実施し、その構造性能を確認し、(一財)日本建築総合試験所の建築技術性能証明(GBRC 性能証明第01-13 号改2)及び(一社)建築構造技術支援機構の技術評価報告(SABTEC 評価12-05R3)を取得しています。また、土木学会「コンクリート標準示方書」(2002 年制定)に規定された静 的耐力A 級の定着性能を有することを、D51 を用いた試験体を含めて構造載荷実験により確認しております。●摩擦圧接
摩擦圧接とは、鉄筋端部にネジを所定の圧力下で高速回転させることによる摩擦熱で加熱し、アプセットにより圧接する接合方法です。摩擦圧接部の耐力は鉄筋母材強度以上あることが日本建築センターより認定されています(BCJ 評定-RC0001)。
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適用箇所
柱梁接合部の梁・柱主筋、小梁主筋、スラブ筋、および壁筋の定着に適しています。また、アンカーボルトや杭頭筋の定着にも適用できます。材料の適用範囲は、コンクリート強度Fc60(N/mm2)以下、鉄筋の種類SD490 以下、鉄筋径D13~D51 です。
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特徴及び優位性
- 施工が極めて簡単
工具を一切使わず、手締めで施工が可能です。配筋後、定着板を取り付けることができるため、高密度な配筋部における配筋作業において、施工時間の短縮や省力化が図れます。
- 品質管理が簡単
定着板からネジの余長が3mm以上あれば、品質を確保できます。
- 最上階柱梁接合部の配筋の合理化
最上階柱梁接合部において、定着スタブ(定着耐力を確保するための柱の突起)を必要としない設計が可能です。特に、最上階でのL形接合部において、柱筋と梁筋の定着が接合部内に納まるため、プレキャスト工法への適用が容易になりました(写真3、図1 参照)。
- 施工が極めて簡単
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施工実績
●2021.4.1 現在
工事名 ・土木工事(杭工事、シールド工事、杭工事等)
・建築工事用途 ・杭頭定着、主筋定着
・柱筋、梁筋、壁筋等の定着総本数(本) 4,849,375 鉄筋径 D13~D41