地下空洞充てん工法(スペースパック工法)
株式会社大林組
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技術の概要
「スペースパック工法」は、トンネルの覆工背面空隙や地下空洞を隙間なく充てんする目的で開発された1液性可塑状グラウト工法で、全材料を練り混ぜた1液性グラウトを1台のポンプで圧送する裏込め注入工法です。また収縮率の改善を行い、極めて小さい収縮量を可能としました。また湧水区間に適用できる新材料も用意しました。
●製造方法
特殊増粘材スラリーにセメント、膨張剤などを混合して製造します。製造設備がコンパクトなため、坑内・坑外のどちらでも製造可能です。覆工背面以外の地下空洞には、アジテータ車を使用して製造可能なモルタル配合タイプもお選びいただけます。
●注入材の配合例(鉄道トンネル向けのミルクタイプ)
タイプ 標準 湧水トンネル W/C[%] 278 280 標準比重 1.31 1.29 設計基準強度
[ N/mm2]1.5 1.5 ※水 834kg 839kg ※セメント系結合材 300kg 300kg ※特殊増粘材 175kg 150kg ※増粘材 500g - ※膨張剤 15g 15g ※注入材1㎥当たり
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適用箇所
水中または湧水のある地下空洞部、トンネル覆工背面空隙部、URT やパイプルーフの空隙部
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特徴及び優位性
高価な材料・特殊機械を使用しないため、同等性能の他の可塑状グラウトに比べて低コストです。
可塑性限定注入のため材料ロスの少ない経済的な工法です。
使用条件に応じた配合・グレードの設定が容易にできます。(流動性保持時間・強度など)
水中分離抵抗性が高く水中または湧水のある空洞部注入でも、安定した品質を確保できます。
現場状況によって製造システムの選択が可能です。(現場プラント方式・アジテータ車方式)
注入後の材料収縮が極めて小さいため、より確実に空洞を充填できます。
湧水トンネル対応型の注入材は流水に溶出しにくいので、周辺環境への影響を大幅に改善できます。万一の溶出時にも坑内排水のpHと濁度の上昇を小さく抑えられます。
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施工実績
鉄道トンネル超低土被り部盛土工事(2002.11) 新潟県 340 ㎥
鉄道トンネル裏込注入工事(2007.2) 京都府229㎥
道路トンネル裏込注入工事(2013.6) 岐阜県 1,535㎥
鉄道高架橋耐震補強工事(2016.2) 東京都16㎥
鉄道トンネル裏込注入工事(2016.3) 静岡県 228㎥
リチャージウェル遮水壁築造工事(2016.9) 神奈川県 892㎥
鉄道トンネル裏込注入工事(2018.8) 静岡県 1,381㎥
発電所水路トンネル裏込注入工事(2021.6) 岐阜県 739㎥
鉄道トンネル裏込注入工事(2021.8) 神奈川県 2,122㎥(以上は全て標準タイプ)
鉄道トンネル裏込注入工事(2018.12) 静岡県133㎥(以下は全て湧水トンネル対応タイプ)
鉄道トンネル裏込注入工事(2021.8) 静岡県 954㎥