外ケーブル張力モニタリングシステム
西日本旅客鉄道株式会社
ジェイアール西日本コンサルタンツ株式会社
住友電気工業株式会社
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技術の概要
PC 桁において、主方向PC 鋼材の腐食に伴う破断が生じると耐荷性能に多大な影響が生じる。しかし、PC 桁の耐荷性能が低下した状態は、破断が相当程度進まないと外観変状に現れにくい場合があり、検査による健全度判定が困難となっている。主方向PC 鋼材の破断が進行した場合に、PC 桁としての耐荷性能の低下を検知し、検知後には速やかに耐荷性能を回復して適切に維持管理する手法として、本方式(図1,2)を開発した。
PC 桁の内ケーブルの腐食に伴う破断が進行してプレストレスが減少し、主桁に曲げひび割れが発生する段階になると、主桁の剛性が低下して列車通過時のたわみおよび外ケーブルの張力増分は増加することとなる。本方式は、外ケーブルの張力増分を経時的に計測し、この変化を捉えることでPC 桁の耐荷性能の低下を検知しようとするものであり、その判定は計測値と予め設定した管理値とを比較して行うものである(図3)。現場で計測されたデータは即時、無線通信により別の箇所に構築したサーバに送信され、サーバ内で計測データの蓄積、分析、評価を自動的に行われ、耐荷性能の低下が検知された場合には、早急にその情報を通知するシステム(図4)となっている。 -
適用箇所
橋りょう形式:PCT 形桁(PCI 形桁)
※ただし、外ケーブル(定着装置、偏向装置)の設置が可能な橋りょうに限る
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特徴及び優位性
外観変状に現れにくいPC 鋼材の破断と破断に伴う桁の耐荷性能の低下が検知できる。
検知した場合には、早急にその情報を関係者に通知することができる。
検知後には外ケーブルを再緊張することで、速やかに桁の耐荷性能が回復できる。
PC 桁の健全性が著しく低下した場合、外ケーブルを補強ケーブルとして機能させ、安全性が確保できる。
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施工実績
山陽新幹線 恵川橋りょう