部分プレキャストアラミドシート工法
三井住友建設株式会社
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技術の概要
本工法は、ラーメン橋脚横梁などのように上面に支承や落橋防止装置などの付属物が設置されている状況下でも所定のせん断補強効果が期待できる補強工法です。従来工法では、このような場合、横梁全体を覆って補強することが不可能なため、所定の補強効果を得ることは困難でした。しかし、本工法では、①部材全体を施工するU 字形シート補強と、②支承などを避けて施工する部分閉合補強を併用することで、効率的なせん断補強を可能としました。
なお、横梁上面は一般的に施工空間が制限されますが、このような場合は横梁上面のシートに予め樹脂を含浸・硬化させた部分プレキャストアラミドシートを用いることで簡便な施工が可能となり、品質確保、工期短縮を図ることが出来ます。また、一方向単調載荷および交番繰返し載荷などの多くの実験研究成果を基に効率的な補強方法及び合理的な補強設計法を確立し、実用化を図りました。以下に本工法の概要を示します。 -
適用箇所
ラーメン橋脚横梁などのエネルギー吸収を必要としない本体構造物で、部材全体を覆う形でのせん断補強が不可能な箇所。なお、同じシート厚さならば梁高さ以下のピッチで30%以上閉合することを原則とします。補強細目は技術資料を別途ご参照下さい。
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特徴及び優位性
- 優れたせん断補強効果
U字形補強のみに比べて最大2倍程度もせん断耐力が増大します。
- 優れた施工性
部分プレキャストシートを用いることで施工空間に制限がある場合でも施工が可能です。また、品質確保、工期短縮が可能です。
- 優れた経済性
U 字形補強のみでせん断耐力を増大させる場合の約半分のコストです。
- 剥落防止
U 字形補強と部分閉合補強の併用で、コンクリート片の剥離・剥落を確実に防止します。
- 優れたせん断補強効果
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施工実績
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コンクリート橋脚補修工事15‐1~6、16‐1、4、17‐2、18‐4(名古屋高速道路公社)
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国道259 号小池跨線橋橋脚梁補強工事(愛知県)
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勝沼大橋耐震補強工事(関東地整局)
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三崎跨線橋補修工事(桑名市)
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