高構造物の耐震補強急速施工法
東日本旅客鉄道株式会社
東鉄工業株式会社
株式会社タカミヤ
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技術の概要
本工法は、山間部の谷あい、人家付近及び道路沿いにあるRC高橋脚を耐震補強する場合に用います。
作業床(昇降式足場)を橋脚く体に沿って取り囲むように一体化し、マスト(支柱)を抱込みながら橋脚を上下することにより、ジベル筋、軸方向鉄筋、帯鉄筋の組立が連続的に施工可能となります。
また、専用の吊治具との併用により、施工性と安全性が向上する施工法です。●昇降式足場
●施工フロー
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適用箇所
RC橋脚の耐震補強において、大きなクレーンが入らない山間部などの高橋脚箇所
RC橋脚の耐震補強において、河川の高水敷で工期の制約を受ける箇所
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特徴及び優位性
- 施工性
昇降式足場は任意の位置で作業出来るため不安全作業とならないこと、作業床内からの作業が可能であることなどから、施工性や安全性が向上します。
- 工程面
高さが30m程度の橋脚を枠組み足場により耐震補強を施工した場合と昇降式足場とで比較すると30%の工程短縮が可能となります。
- 経済性
大きなクレーンを必要としないこと、作業ヤードや工事用通路が小規模となることなどから、工程短縮が可能となるため全体工事費の縮減が可能です。
(参考:レンタル料1本マスト80万円/月、2本マスト152万円/月)
- 施工性
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施工実績
高構造物の耐震補強急速施工法 施工実績 29基(2021年10月現在)
●主な適用箇所
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鉄筋吊治具
RC 高橋脚を耐震補強する場合、軸方向鉄筋の組立圧接時に鉄筋が不安定となっている状況が有ります。そこで、軸方向鉄筋の組立圧接時に不安定とならない機能と、鉄筋間隔が機械的に等間隔になる機能などを併せ持った吊治具を開発しました。具体的には、吊治具により5本の軸方向鉄筋を固定しホイスト等により吊上げて、先行する鉄筋に吊治具の金具を固定して組立圧接作業を行うことで、鉄筋の不安定な状況が解消されます。また、軸方向鉄筋及び帯鉄筋を吊治具で等間隔に保持して鉄筋組立することで、施工性と安全性が向上します。
●吊治具の性能
- 1.吊鉄筋径:D13~D32
- 2.鉄筋間隔:80~ 300mm
- 3.鉄筋長さ:L=12.0m
- 4.鉄筋本数:n=5 本
- 5.吊荷重:600kg
●吊治具単体のレンタル料及び製品価格
- 78,000円/月・台(消費税含まず)
- 800,000円/台(消費税含まず)