橋梁等の鉄道構造物 目視点検用FRP検査路
株式会社栗本鐵工所
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技術の概要
「主桁・床版一体型FRP検査路」は、橋梁等の鉄道構造物に設置し、橋梁の主桁や床版裏、支承等の近接目視を可能にする常設の点検用歩廊です。検査方法は目視が基本ですが、条件によって移動梯子や高所作業車等による検査が困難な箇所には検査用足場を使用することが推奨されています。歩廊幅は設置箇所によって600㎜~2000mmまで調整が可能であり、手摺は3段、高さは1100mm(床版上部から上段手摺中心まで)を標準としています。
常設のFRP検査路を設置することで鉄道構造物の維持管理に必須である近接目視が可能となり、適切な維持管理を行うことで橋梁等鉄道構造物の長寿命化が図れます。この製品は繊維強化プラスチック(FRP)製のため、沿岸部等での飛来塩分に対する耐腐食性やフッ素塗装により高い耐候性を実現しています。また、鋼製検査路の1/3程度の重量であり軽量化が図れ、橋梁への死荷重低減、また施工時に作業者への負担軽減や施工性の向上が期待できます。
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適用箇所
橋梁等の鉄道構造物において、近接目視を必要とする箇所
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特徴及び優位性
高い耐食性・耐候性があるFRP部材の通常耐用年数は約50年以上を想定しております。経済性は直工費ベース(輸送費等諸経費含まず)で鋼製検査路の1.4~1.6倍程度(2023年10月時点)であり、特に腐食環境下では鋼製に比べ耐用年数が長く、維持管理費用(付け替え等)を抑える事で、ライフサイクルコストの低減が可能です。
主な部材が電気絶縁性に優れたFRP製であり、電線等の近くでも「電気化学的腐蝕(電蝕)」の影響を受けず、腐食の心配がありません。
鋼製検査路に比べ重量が約1/3程度であり、橋梁等の構造物にかかる死荷重の低減が可能です。また、軽量であるため各施工工程における所要時間を短縮できます。
足場幅(歩廊幅)は設置条件等によって2種類(標準型検査路、幅調整検査路)の床版で対応し、標準型検査路は有効足場幅 600mm、幅調整検査路は有効足場幅 2000mmまで対応可能です。手摺高さは1100mmで労働安全衛生規則の基準850mm以上を満たしています。
FRP検査路としてはNEXCO試験方法440-2017に合格、また国土交通省にて運営する 新技術情報提供システムNETIS(NO.TH-180007-A)にも登録されています。
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施工実績
- 西日本高速道路(株)九州自動車道 本名川橋(下り線)他1橋床版取替工事
- 東日本高速道路(株)秋田自動車道 満屋橋耐震補強工事 その他多数