コンクリートの鉛直落下打設工法
前田建設工業株式会社
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技術の概要
コンクリートの鉛直落下高さが大きくなると、配管先端に大きな衝撃が生じる。そのためコンクリートを落下させて打ち込む場合には配管の途中に曲がり管やS字管を配置したり配管を螺旋状にしたり、衝撃緩和装置を取り付けたりと様々な対策がとられている。これらの方法は衝撃を吸収する効果はあるが、落下中のコンクリートの分離や品質低下へ対応することは難しい。
本工法は、鉛直管先端に減速・練直しユニットを組み合わせた分離防止装置を取り付けることで、鉛直落下にともなって生じる衝撃とコンクリートの分離を同時に防止するものであり、コンクリートの飛散がなくなるので作業員の安全確保にも寄与する。 -
適用箇所
立坑、深礎、トンネル工事、その他
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特徴及び優位性
- 品質向上
自由落下により粗骨材が分離したコンクリートを最下端付近で再度練り混ぜるので、品質のよいコンクリートを打ち込むことができる。
- 安全性の向上
自由落下では通常配管先端で大きな衝撃が発生するが、減速ユニットで落下速度を低下させるので衝撃が減り打込み時にコンクリートの飛散がなく作業の安全性が向上する。
- 作業性の向上
打込み箇所での衝撃がないので、コンクリートの打込み作業が円滑に行え、作業性が向上する。
- あらゆるコンクリートに適用可能
最大骨材寸法、スランプなどによって使用が制限されない。
- 幅広い適用範囲
落下高さに応じて緩衝装置の数を調節して対応できる(落下高さの実績10m~80m)
- その他:
日本コンクリート工学協会賞(技術賞)受賞(2004年) NETIS 登録 No.HR-050021-A
- 品質向上
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施工実績
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福岡市奈多第10 雨水管線工事(二次覆工)
平成14年10月~平成15年2月(福岡市下水道局)
- 新丸山ダム国道418号新旅足橋下部工(右岸)工事(深礎)
平成17年11月~平成18年4月(中部地方整備局)
- 第二阪和国道山中1号橋下部工工事(深礎)
平成19年1月~3月(近畿地方整備局)
- さがみ縦貫相模川橋下部工工事(深礎)
平成22年9月~平成23年3月(関東地方整備局)
- さがみ縦貫串川橋下部工工事(深礎)
平成23年1月~4 月(関東地方整備局)
- 峠下部深礎工工事(深礎)
平成22年5月~8月(近畿地方整備局)
- 徳山水力発電所新設工事(土木本体工事)
平成23年6月~平成25年3月(中部電力)
- 由比地すべり深礎杭(地すべり抑止杭)
平成23年9月~平成25年6月(中部地方整備局)
- 県道久留米筑紫野線神代橋橋梁下部工工事(深礎)
平成25年7月~(福岡県)
- 新名神高速道路坊川第三橋工事(深礎)
平成26年3月(NEXCO 西日本)
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福岡市奈多第10 雨水管線工事(二次覆工)