パイプドリル工法(Pipe Drill Method)
鹿島建設株式会社
-
技術の概要
本工法は、鋼管圧入式工法の長所である高い孔壁安定性をいかし、排土方法として泥水による逆循環方式(リバース式)を組合せることにより、空頭制限のある狭隘な場所においても周辺構造物の変状を抑止することを可能とした場所打ち杭施工システムです。システムは特殊三翼ビット、小型全旋回圧入機(パワージャッキ)、門型ヤグラで構成されています。
このうち、特殊三翼ビットは鋼管の回転力により駆動される機構となっています。この機構により従来地上部に設ける必要があった駆動系およびスイベルをビット部に内蔵することが可能となり、低空頭化を実現することができました。三翼ビットの脱着は、ロッド管の上下という簡易な動作のみで行えるようにリンク機構を採用しています。
また、小型ながら回転トルクが大きいパワージャッキ(回転トルク最大860kN)により鋼管を回転・圧入することから、狭隘な施工環境でも対応可能であることは勿論、松杭が支障する場合においても事前に引き抜くことなしに高品質な場所打ち杭の施工が可能です。
さらに、門型ヤグラを施工システムに加えることにより、低空頭・狭隘な施工条件下における安全・高効率な施工を実現しました。 -
適用箇所
仮設及び本体構造物の基礎杭(場所打ち杭)の施工
高架下・路下等の空頭制限のある場所での施工
新幹線高架橋等の鉄道構造物に近接しての施工
松杭が支障する箇所での施工
-
特徴及び優位性
鋼管による確実な孔壁養生で既設構造物の変状を抑止。
施工システムが小型のため、狭隘かつ空頭制限のある箇所での施工が可能。
松杭が支障する条件下でも高品質な杭の施工が可能。
低騒音・低振動で施工可能。
-
施工実績
東海道線新橋・浜松町間環状2号線交差部工事 橋脚支持杭の施工
杭径φ1,800mm、施工深度22.0m