気泡モルタル盛土工法
住友大阪セメント株式会社
東日本旅客鉄道株式会社
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技術の概要
従来用いていた土に比べ、重さが約1/2軽い気泡モルタルを鉄道盛土に用いる工法である。盛土本体の自重が軽く、また硬化後の自立性もあるので、軟弱地盤や用地幅に制限のある箇所にも 適用できる工法である。
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適用箇所
鉄道盛土部
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特徴及び優位性
- ライフサイクルコストの低減
支持地盤の沈下が抑えられるので軌道変状に対するメンテナンスのコストダウンが図れる。
- 用地幅の縮小
型枠代わりの側壁により、従来盛土の盛りこぼしが不要となる。
- 軟弱地盤対応
軽いので地盤改良が不要、あるいは削減され、軟弱地盤への適用範囲が拡大する。
- 施工性の向上
約500m(300mまで施工実証済)までポンプ圧送できるので、狭隘な用 地での施工が可能となる。
- 品質の安定
セメント系材料(スミシールド)および鉱物質粉末(スミクレー)を使用することにより気泡モルタルの安定した品質が得られる。
- ライフサイクルコストの低減
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施工実績
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赤羽駅付近立体交差化盛土工事
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五日市線武蔵五日市駅高架化盛土工事
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総武緩行線新宿Bi盛土工事
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大宮新駅路盤盛土工事
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常磐新線隅田川橋梁建設工事
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中央線三鷹・立川連続立体交差化
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東北本線雀宮・宇都宮間産業通り路盤工事
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池袋駅構内埼京線・山手貨物線立体交差化工事
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東北本線長町駅付近高架化工事
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南武線稲城長沼駅付近高架化
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東北本線浦和駅付近高架化
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配合及び物性
1.配合例(㎥あたり)
モルタル セメント系材料(kg) / 300 細骨材(kg) / 175 混練水(kg) / 350 気泡 起泡剤(kg) / 0.78 希釈水(kg) / 18.78 ※セメント系材料:≪スミシールド:住友大阪セメント㈱ 製≫
※細骨材:鉱物微粉末 ≪スミクレー:住友大阪セメント㈱ 製≫2.物性
密度:0.84t/㎥
フロー値:180±20mm(φ80×H80mmシリンダー引上げ時の広がり)
強度:材令28日の圧縮強度は1500kN/㎡以上 -
設計
1.側圧
打設時には、第1 リフト高を考慮した静水圧分布、また、供用時にはCoulomb 土圧(内部摩擦角 43°の砂質土と仮定)を考慮。
2.側面防護壁
H 鋼親杭式を標準形とし、作用する荷重を支持しうる構造。
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施工
標準的な施工手順
- ①整地、転圧等
- ②基礎ぐり石、基礎コンクリート工
- ③型枠又は側面防護工
- ④タイロッド取付け
- ⑤排水設備取付け
- ⑥気泡モルタル打設
- ⑦③~⑦の繰返し
- ⑧表層コンクリート工
- ⑨ダクト、防音壁工